「みんな!どこにいるんだ!!」

ゴンガガの声が真っ赤な森に響く

「くっそ・・・ こういうときに限って・・・」




「君の仲間はもう息絶えたよ」

背後に人の気配 ゴンガガは振り返った

「てめェ・・・ 何者だ!!!」


後ろでに手を組んで ひげ男は立っていた


「私かね?私はただのしがない助手さ・・・」


さも残念そうに 男は両手を広げて肩をすくめて含み笑いをした


「ふざけんな!!お前が森に火をつけたのか!!?」
「さぁ・・・ どうだろうね」

ひげ男は静かに笑った

ゴンガガの体中の毛が逆立って 眼が真っ赤になった
爪が指の間から飛び出て 土に喰い込む

「テメェは俺がブッ殺す!!!」


ゴンガガはひげ男の首に噛み付いた
ひげ男の赤黒い血がゴンガガの顔いっぱいに吹き荒れた


「好きなだけ私の血に溺れるがいい・・・
 ただ お前はここで死ぬ」

自分の血で顔を真っ赤にしながら ひげ男はただ静かに笑っていた

「俺は死なねぇ!! こんなところで死んでたまるかよ!!
 ヴァリィもニアリスもみんなみんな・・・」




「みんな・・・俺の家族なんだ・・・」




ひげ男とゴンガガを囲むように 血が這うように広がる
周りでは木々が赤々と燃えていた


「畜生・・・ 畜生・・・」


もう息絶えたひげ男にさらに牙が食い込んだ
傷跡に 涙がひとつ落ちた



空に上る炎を眺めながら 消えつつある霞んだ世界で
ゴンガガは血まみれだった

「酸素足んねぇや・・・・ ごめんよ・・・」

でも 確かに笑っていた




涙は 地面に吸われる前に蒸発してしまった
ゴンガガはその場に座り込み 動かなくなった

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「さぁ もう逃げられないぜ?そこの人間をよこすんだな」
「莫迦なこと言わないで それ以上近づいたらその首噛み千切ってあげる」


ニアリスは僕を後ろに隠して メガネ男とにらみ合っていた
メガネ男は歯をむき出して笑いながら こっちにどんどん迫ってくる


「この子は私の子よ 誰にも触らせない」
男が一歩近づくたびに ニアリスも じりり と土を踏みしめる


「お前みたいな真っ黒な獣からこんな白い人間が生まれてくるわけ無いだろ
 さっさとよこせよ 重要な実験材料なんだ」

男のポケットで一瞬何か光ったような気がした
でも熱気で霞んでしまって 使われるまで分からなかった


ニアリスは 静かに尋ねた

「森を燃やしたのはあなたね?」